あいがえ企画

八丈島にUターンして仕事づくり。日々の雑記。

ルーツ。

自分のことなのに、知らないことがまだ山ほどある。

その一つに出会ってきた。

 

八丈島出身です、と言ってはいるけれど

私の生まれた土地は埼玉県与野市(現さいたま市

八丈島というのは母方の実家で

小さな頃から八丈島には行っていたはいたので

そちら側の親戚にはしょっちゅう会っていた。

(ちなみに祖父は硫黄島の出身だったりする)

 

しかし、父方についてはほとんど知らなかった。

父方の祖母も埼玉に住んでいるし、なんとなく最初は埼玉のひとかな

と思っていたし、親戚というような人にもあったことがなかった。

(と思っていた、実際には小さな頃にあっているらしい)

 

後々、東北の方に住んでいたことがあるとかないとか

聞いたがしっかりと記憶してはいなかった。

 

父から山形に行かないか、と言われたのは

例年よりも早い夏が、はじまった頃だった気がする。

 

聞いてみれば、祖母の姉が山形に住んでおり、祖母が会いに行きたがっている

ということと、父の幼い頃暮らしていた家に行ってみるので

行ってみないか、ということだった。

 

ちょうど休みも取れそうだし、バンドマン時代なんども行った

山形にまた行ってみたかったこともあり、同行することにした。

 

当日行き先を聞くと、なんと酒田だというではないか。

酒田といえば、それこそ何度か行っている。

鳥海山で芋煮もしたし、音楽祭で優秀賞をもらったりもした。

酒田の子が東京のイベントに遊びに来てくれたこともある。

 

Local Blue Sheepsの『海岸線』という曲ができたのだって

酒田に行ったからだ。

それくらいには酒田は馴染みのある土地だった。

 

父の幼い頃過ごした家は、祖母の生家でもあるそうで。

私のルーツがまさか酒田にもあるとは。

なんだか不思議な気持ちだった。

 

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目的である家に、親族が集まるという話だったが到着が早かったので少しドライブ。

少し車で走ると、すぐ海に出た。

この先をずっと行くと、いつだか見た風車が並ぶ景色が見えるんだろうか。

 

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ほとんど誰もいない、日本海。なんだか寂しげ。

遠くに島があるはずだなあ、と眼を細めるが、さすがに見えない。

 

時間が迫ってきたので家へ。

古い木造の家だった。天井が高く、和室が何間か続いているような

所謂日本の民家。大きなテーブルの上に並ぶご馳走を見て

サマーウォーズな気分。

 

程なくして人が集まってくる。

十数人。父の従兄弟だったり、遠い親戚だったり

説明されても覚えきれないほどにいる。

おどろきだ、こんなに血の繋がった人間が

山形にいたなんて。初めて知った。

 

余談だが、ものすごい勢いで山形弁で喋られると

何を言っているのかちっともわからない。

 

おじさん、おばさんばかりなので

ご飯というより話に花が咲く。

 

私は目の前にあるご馳走をひたすらむしゃむしゃやりながら

テレビにうつるドラえもんクレヨンしんちゃんを見ていた。

 

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泊まったのは宴会会場とは別の父の従兄弟宅。

目の前はどこまでも田んぼ。まるで海のようだった。

遠くには鳥海山も見える。

 

翌日特養に入っている祖母の姉に会いに行ったが

眠っており。

特に会話をするとなく帰路に着いた。

 

山形は遠い。

異国のような気持ちになる。

海も山も空も田んぼも、どこまでも続いている。

 

父が八丈島に対して「平でないからいやだ」

といったのがなぜかわかった気がした。

ここはずっと平らだ。

 

懐かしくなるのだろうか、と思ったがそういうわけでもなく

ただ、遠い場所に来て、いつもと違う景色を見て

自分のルーツのひとつにそこがある、ということを

”理解”して帰ってくる。

そんな旅だった。