あいがえ企画

八丈島にUターンして仕事づくり。日々の雑記。

47日目~カイ~


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実家の飼い犬、カイに会うため5日の夜の船に乗って八丈島に向かったけれど

出航後ほどなくして、亡くなったと連絡があった。

 

1月15日が誕生日で、もうすぐ16歳だった。

私と共に島に渡ってから、16年。私が島を出てから10年。

そんなに時間がたったのか。

 

島に降り立つと空は明るいのにどしゃぶりだった。

 

動物病院へ迎えに行く。

苦しまなかったといっていた。具合が悪くなった当日、元旦だったけれど

散歩もしておせちも食べて、元気だったそうだ。

苦しい時間が少なくてよかった。

 

坂上に向かう途中、横間に大きな虹が出ていた。

 

少し時間をおいてから、埋めに行った。

畑の一角。アスナロの木の下。

 

老犬だけれど、坂で鍛えられた体はがっしりと立派だった。

なにも、私の誕生日でなくても、と思ったけれど

元旦から5日まで、よく頑張ったなあ。

 

海という名前なのに海が嫌いだったな。

血統書までついている黒柴なのに、潮に焼けて毛が真っ赤だったな。

男の子なのにいつも内またで横すわりしてたなあ。

 

こんな日でもあいがえはきれいだ。

こんな日でも生きているとお腹がすくもんだ。

 

おばあちゃんが、あの世で会えるかなと言っていた。

 

みんなみんな、いつか死ぬ。

年をとればとるほど、その機会もきっと頻繁になる。

そう思ったら、なんの意味もないような気がしてきて

ぼーっとしたくなる。

 

カイが、ちょっとうらやましい。

カイの眠る場所は陽がとてもあたる、風の良く通る

藍ヶ江の海も見える場所。

 

今日も綺麗だったな。

 

なんで生きるものは死ぬんだろうか。

死ぬのなら、なんで生まれてくるのだろうか。

 

それでも明日はくるなあ。

死はどうしようもなく、あらがえない、大きな波だ。

私はあまりにもちっぽけで、どうしようもない。

 

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カイとじいお散歩風景がとても好きだったな。

 

おつかれさま。